長文

この想いを押し込めて耐えて耐えて耐え抜いた先に一体何が待っているというのだ、そんなもの知りたくもないし知るつもりもない
君の為なのだと笑顔で行った僕の行為の全ては今振り返ってみれば結局は自分の為だったなんてこれ以上滑稽な事があるだろうか
全てを君に押し付ける事が出来ればどんなに楽なのだろうと、そんな考えが浮かんでは消えた
青すぎる空の下、ふと我に返った僕の眼下に広がるは無数の屍と一輪の赤い花
泣かないで?そう言って笑った君の白い肌と溢れ出す赤、そのコントラストに酷く眩暈がした
あの日あの時あの場所で交わした約束を君は覚えていますか?僕は忘れないでしょう、君の涙だけは
ああどうかそんな顔をしないでおくれ、嫌いになった訳じゃなくてただ君の隣に立つには僕の手は汚れ過ぎたのだ
臆病な僕は全てが変わらぬようにと願うばかりで気付かぬ振りを続けてたんだ君の事
全ての基礎は単純で複雑、絡まりだした糸の先は一体何処へとつながっているのか僕等は知らない
君の声も髪も肌も温もりも優しさも冷たさも笑顔も泣き顔も全てをいい思い出だとそう言える日がくればいいのに

無意識に抑制された一筋の想いは日に日に強く不確かに絡まって僕を照らす
例えばそれが消えることのない想いだとしても紡ぐには遅すぎたのだと思い知らされた気がしたんだ
そう言って笑った君が愛しくて恋しくて哀しくて、それと同時にどうしようもなく憎いのだ
ありがとうさようなら、そう呟いて笑った君を見て僕は初めて心の底から救われた気がしました
つくりものはつくりものしか生まないとわかっていたはずなのに、ねぇどうして
わかってほしくなんてないんだよ、どうせなら大声で笑い飛ばしてくれればそれだけで報われるから
愛してほしかった、どんな形でもいいからだたアンタとの繋がりの証がほしかったんだ
結局僕が捨てきれなかったのは君でも愛でもましてや欲でもなく、ただのちっぽけなプライドだったのだ
あの時は涙さえも出なかったくせに今になってどうしてこんなにも君が恋しいのだろう、涙が止まらないのは何故
どんなに手を伸ばしてもアンタはいつだって俺ではない誰かの手が差し伸べられるのを待っていた


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